大麻の短期的・長期的な健康リスク・悪影響まとめ

最近、大麻のポジティブな健康情報を見かけることが多くなってきましたが、同じように気になるのがリスク・悪影響です。

タバコやアルコールなど、合法な地域の多いドラッグは様々なリスクがあることがわかっていますが、大麻はどうなのでしょうか?

今回は大麻の健康リスク・悪影響についてまとめました。

注意点として、大麻の研究は現在猛スピードで世界中(残念ながら日本を除く)で行われていますが、まだ発展途上な面が多々あります。

特に長期的かつ包括的な研究はまだ少なく、また同じテーマの研究でも違う結果を示唆する場合もよくあります。

今回の内容については、あくまでも、このような可能性がある、という認識で読んで頂くようよろしくお願いいたします。

短期的影響

アメリカの国立薬物乱用研究所によると、大麻の短期的な影響として可能性のあるものに以下が挙げられています。

  • 知覚の変化(視覚、聴覚、触覚、時間の感覚)
  • 思考と問題解決能力の低下
  • バランス感覚の低下
  • 心臓発作リスクの上昇
  • 記憶と学習能力の低下
  • 不安やうつ症状

またこちらの研究によると、摂取量が多い場合や耐性が低い場合、ユーザーは以下のような症状を経験する可能性があるとしています。

  • 錯覚・被害妄想
  • 記憶障害
  • 幻覚
  • 方向感覚の喪失

脳内にはたくさんのカンナビノイド受容体がありますが、それらが存在する部位が司っているのは、快楽、記憶、思考、感覚(時間を含む)、集中やバランス感覚です。

主にTHCがそれらの部位を刺激することにより、上記のような短期的な影響が出ます。

「幻覚」については、まれにSNSで経験談を見ることがありますが、実際に存在するかはまだわかっていません。

何か特定の条件があるのでしょうか?さらなる研究が待たれますね。

また大麻を摂取して数分経つと、血圧は若干下がりますが心拍数は20~100%上昇する可能性があります。

こちらの研究によると、大麻を摂取して1時間以内の心臓発作リスクは、そうでない場合と比べて4~5倍高いという結果が出ています。

長期的影響

依存

人間が嗜好用途で摂取するものの多くには依存性があります。砂糖やタバコ、アルコールなどはその代表です。

大麻にも依存性があり、以下1と2の研究によると、大麻を摂取したユーザーの9%は依存し、さらに3と4によると、10代で使用を開始した場合はその割合が17%にまで上昇します。

このせいか、G7の中で国として最初に大麻を合法化したカナダでは、州ごとに大麻を使用開始できる年齢が違いますが、そのほとんどは19歳になっています。

依存した場合、5と6の研究によると、頻繁に使用するユーザーは、止めてから1〜2週間以内に、気分障害、睡眠障害、情緒不安定やイライラしやすさ、食欲の低下や渇望感、また様々な肉体的な不快感のピークを感じるようです。

1 – Anthony JC, Warner LA, Kessler RC. Comparative epidemiology of dependence on tobacco, alcohol, controlled substances, and inhalants: Basic findings from the National Comorbidity Survey. Exp Clin Psychopharmacol. 1994;2(3):244-268. doi:10.1037/1064-1297.2.3.244
2 – Lopez-Quintero C, Pérez de los Cobos J, Hasin DS, et al. Probability and predictors of transition from first use to dependence on nicotine, alcohol, cannabis, and cocaine: results of the National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions (NESARC). Drug Alcohol Depend. 2011;115(1-2):120-130. doi:10.1016/j.drugalcdep.2010.11.004
3 – Anthony JC. The epidemiology of cannabis dependence. In: Roffman RA, Stephens RS, eds. Cannabis Dependence: Its Nature, Consequences and Treatment.Cambridge, UK: Cambridge University Press; 2006:58-105.
4 – Hall WD, Pacula RL. Cannabis Use and Dependence: Public Health and Public Policy. Cambridge, UK: Cambridge University Press; 2003.
5 – Budney AJ, Hughes JR. The cannabis withdrawal syndrome. Curr Opin Psychiatry. 2006;19(3):233-238. doi:10.1097/01.yco.0000218592.00689.e5
6 – Gorelick DA, Levin KH, Copersino ML, et al. Diagnostic Criteria for Cannabis Withdrawal Syndrome. Drug Alcohol Depend. 2012;123(1-3):141-147. doi:10.1016/j.drugalcdep.2011.11.007

骨密度の減少

意外かも知れませんが、こちらの研究では、定期的に大量の大麻を摂取してきたヘビーユーザー(生涯で5000回以上)は骨密度が低くなる可能性が示唆されています。骨密度の低下は骨折のリスクを上昇させてしまいます。

しかし、別の研究では、5000人近い大人を調査した結果、大麻の使用と骨密度の低下には関係が見られないとしています。

肺への影響

2019年に発表された研究によると、大麻の燃焼時に発生する煙には、タバコと同じような発がん性の炭化水素が含まれています。

一般的に、大麻の使用回数はタバコよりも少ない傾向にあります。

しかし、大麻の場合は煙をより深く吸い込み肺に長時間溜める傾向があるので、その分発がん性物質を取り込むリスクが高くなります。

定期的に大麻を喫煙する人は、タバコユーザーと同じ以下のような呼吸器系の問題を持つ傾向にあります。

  • 肺・胸関連の病気のリスク増加
  • 日常的な咳・タンの発生

妊娠時の子供への影響

妊娠している女性が大麻を摂取した場合、子供に影響はあるのでしょうか?

結論としてははっきりしておらず、「ある」と「ない」両方を示唆する結果があり、より詳細な研究が待たれています。

2018年に行われたいくつかの研究は、子供の神経系の発達に影響があるとし、それらの研究に対するレビューでは、その影響は以下を含んでいると言います。

  • 注意力・記憶力・問題解決能力の問題
  • 震えの増加
  • 視覚的な刺激に対する反応の変化

しかし、こちらの合計1001件の統計比較と約30年にわたる研究を分析した結果では、出産前の大麻摂取と認知障害が関連する証拠はないとしています。

まとめ

今回は大麻の短期的・長期的な可能性のある健康リスク・悪影響を、出来るだけ海外の研究を参照しながら挙げました。

大麻はタバコやアルコールと比べて健康被害が少なく、むしろポジティブな効果があると注目されがちですが、ネガティブな影響も研究結果として出ています。

大麻の摂取が法的に問題ない場合でも、健康リスクを把握した上で選択することは重要だと思います。

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