勉強やスポーツ、仕事では方法論やコツを知っているのと知らないのでは大きな差が出ることがあります。
大麻をやめることにも同じように、効果的な方法やコツがあります。
この記事では、大麻を止める代表的な二つの方法とたくさんのコツを紹介します。
薬物をやめることは、やめ方や個人の状態によっては危険になる場合があります。
大麻の場合は比較的危険になりにくいようですが、どのようになるかは個人によっても違うため、安易に安全ということは言えません。
心配であれば、自分で判断せずに、まずは専門家に相談するのが確実です。
大麻をやめる方法
この記事では「一気にやめる」と「徐々にやめる」の二つの方法を紹介します。
一気にやめる
この方法は、大きな結果を早く出したい人に適しています。
上手くいった場合は、摂取しないと決めた瞬間からやめることができます。
しかし、現実はそれほど上手くいかないことが多い方法でもあります。
それは、頭で「今からやめる」と決意しても、体が付いていかない場合が多いからです。
強い離脱症状と渇望感が出る傾向があり、その解消のためにも、また摂取してしまう場合がよくあります。
そのため、ただいきなりやめるのではなく、どんな問題が想定されて、それらにどう対応するのかを準備しておくことが重要です。
離脱症状を劇的に抑える薬や方法はまだ見つかっていませんが、以下の記事は離脱症状の対策も含んでいます。
一定期間大麻を摂取して止めると、不快な感覚を伴う離脱症状が現れます。今回は離脱症状の種類やタイムライン、危険と原因、そし…
余談になりますが、この方法は英語圏ではcold turkeyと呼ばれています。
その由来は、ドラッグを一気に止めると、数日以内に鳥肌が出ることがあり、それが冷蔵庫の冷えたターキー(cold turkey)の皮に見えることです。
コツ
大麻関連の物を捨てる
やめる決意をしても、摂取物や道具が身近にあると、つい魔の手が伸びてしまうかも知れません。
バッズ、ワックス、エディブルなどの摂取物に限らず、パイプやボングなどの摂取道具も全て捨ててしまいましょう。
摂取物も道具もないことにより、再び摂取したくなってもまずはそれらを購入しなければならず、ハードルを上げることができます。
もったいないと感じる知れませんが、決意した以上はもう必要ないはずです。
徐々にやめる
この方法は、進捗は遅いけども確実な結果が出やすい方法です。
少しずつ摂取量を減らして、最終的にゼロにしていきます。
その流れの一例は以下のようになります。
- 現在どれぐらい摂取しているか把握する
- どれぐらい減らしたいか・減らす必要があるか考える
- タイムラインを考える
- 実行する
例えば、バッズを月4g(週1g)消費している人がいたとして、月に1gずつ減らしたいとします。
1gを四週間で割ると0.25gになるので、週1gの消費していたのを、0.75gまで減らして一ヶ月続ければ、合計で1g減らすことができます。
その次の月も同じようにしていくと、 三ヶ月後には摂取量が0に到達し、やめることができます。
減らす量は工夫ができ、例のように毎週同じ量を減らす方法もあれば、週ごとに減らす量を増やしていく方法もあります。
例えば、月に1g減らしたい場合、週の摂取量1gから、最初の週は0.1g減らして0.9gの摂取、第2週には0.2g減らして0.8gの摂取と続けていきます。
すると、 一ヶ月後(四週間後)には、0.1+0.2+0.3+0.4=1なので、合計で1g減らすことができます。
この方法では、摂取量を徐々に減らすため、時間はかかりますが、極端な離脱症状や渇望間が出にくいというメリットがあります。
共通のコツ
以下では大麻をやめるためのコツ・テクニックをいくつか紹介していきます。

スマート(SMART)
SMARTとは、計画を効果的に達成させる方法論の一つです。
重要なコンセプトの英単語の頭文字を一つずつ取ってSMARTととしています。
それらは以下の五つで、計画を作る時に適用させます。
- Specific(具体的・わかりやすい)
- Measurable(測定可能・数字を使う)
- Assignable(適切な役割や権限がある)
- Realistic(現実的に達成可能)
- Time-related(明確な期限がある)
これらを適用させて作る計画は、例えばこのようになります。
大麻の摂取量を三ヶ月以内にゼロにする。現在の摂取量4g/月から、これから一ヶ月に1gずつ減らしていく。それぞれの月で、月の摂取量を4(週間)で割り、それを一週間の摂取量としてそれ以上は摂取しない。
計画を柔軟に変える
計画を柔軟に変える前提では、計画の意味がないのでは?と思う方もいるから知れません。
しかし、薬物を止める時に予想外のことはよく起こります。
離脱症状や渇望感が予想以上に強かったり、仲間の誘いをどうしても断れず失敗してしまうこよがあるかも知れません。
その時に、失敗したから諦めるのではなく、多少失敗しても、その経験を糧により良い計画を作る・軌道修正する方が、今後にとってベターなはずです。
予想外のことに柔軟に対応するためにも、途中で止めないためにも、計画は変えても良いという意識を持つことは重要です。
モチベーションの確認
大麻は、タバコなど他のドラッグと比べて依存性が低いことがわかってきています。
しかし、止めることが一筋縄ではいかない場合もあります。
前述したように、離脱症状や渇望感、習慣や周囲からのプレッシャーなど、様々な壁が待ち受けているかも知れません。
その時に、高いモチベーションとその自覚があれば、苦しい時にもう少し頑張る力を高めることができます。
何となく大麻を止めた人は、また何となく始めてしまう可能性があります。
これは動機が弱いからです。
一方で、例えば、「どうしても受かりたい試験があって、勉強に集中するために、大麻に時間を費やしたくないので止める」など、強い動機があった方が、迷った際に背中を強く支えてくれるはずです。
一般的な大麻をやめるメリットとしては以下があります。
- 節約になる・金銭的な余裕ができる
- 時間に余裕ができる
- 生産的になれる
- (違法国の場合)逮捕される可能性がなくなる
- 大麻による悪影響・リスクを回避できる
自分がなぜ辞めたいのかを書き出して確認してみましょう。
大麻の代替品を用意する
大麻を摂取している理由を考えてみましょう。
例えば睡眠促進のために使っているのであれば、メラトニンのサプリなどで代用できる可能性があります。
代替品を用意しておくと、〇〇のために大麻を使いたい、となった場合でも代替品を使うことで回避できます。
代替品は「物」でない場合ももちろんあります。
何となく暇つぶしのように大麻を摂取しているならば、代替品としては、新しい趣味やコミュニティへの参加などがあります。
ここでのポイントは、摂取理由を自覚し、それが他の方法で実現できないか考えてみることです。
周りに知らせる
もし可能であれば、家族や身近な友人などに、大麻を止めていることを伝えるのも一つの手です。
きっと応援してくれますし、友人であれば、大麻のある集まりがあっても気を遣って誘わなくなるはずです。
周りに伝えることで、自分へのプレッシャーにもなります。
また自分が離脱症状を経験する可能性を伝えておくと、感情的に当たってしまった時などでも、多目に見てくれるかも知れません。
大麻から気をそらす
大麻をやめたとしても、日常の様々な場面で大麻のことを思い浮かべてしまう場合があります。
例えば、タバコを美味しそうに吸っている人を見た時やハイになってよく聴いていた音楽が聴こえてきた場合など、たくさんの可能性があります。
そういった場合をできるだけ減らす・対応するために、頭を他のことでいっぱいにしましょう。
何かに打ち込んだり、タスクを積んで忙しくしたり、新しい趣味を始めてみるなどは特に効果的です。
条件付けとトリガーについて学ぶ
人間の心は、特定の時間帯や周りの人など、特定の状況で特定のインプットや刺激を期待するようにできています。
例えば、いつも特定の人と大麻を吸っていた場合、その人に会うだけで大麻が吸いたくなることがあります。
これを「条件付け」といい、結果を生み出すきっかけ、この場合ではその人に会うことを「トリガー」と言います。
こういった自分の条件付けを把握するのはとても重要です。
自分の心の動きを予期することで精神的に準備ができますし、トリガー自体を避けることもできます。
またトリガー自体に対策することも効果的です。
この例の場合では、その人に会うと大麻を吸いたくなるかも知れないと予期しておきます。
対策としては、その人に、自分と会う時は大麻を吸わないようにお願いしてみても良いかも知れません。
トリガー自体を避けるアクションとしては、その人自体に会わないというものがあります。
健康である
健康であることは、肉体的にも精神的にも安定しているための土台です。
健康であるには様々なコツがありますが、特にバランスの取れた食事と運動は離脱症状を和らげるためにも重要です。
失敗から学ぶ
大麻を止め始めても、すんなり上手く行くとは限りません。
多くの場合は、ついついまた始めてしまったり、徐々に少なくしていた量をまた戻してしまったりします。
実際大麻を止めることは、何度も失敗する可能性の高いことです。
ですので、失敗したからといって大きく落ち込んだり、一度や二度の失敗で諦めないようにしましょう。
失敗すれば、どういう経緯で失敗したのかを分析して、学んで次に活かすだけです。
個人によって大麻や体の状況も、適している止め方もユニークですので、記事内の方法を試しても上手くいかないことは十分ありえます。
失敗は当たり前ぐらいに考えて、トライ&エラーになる可能性が高いことを意識して取り組みましょう。
まとめ
今回は大麻をやめる二つの方法とそのコツを紹介しました。
大麻はアルコールなどの他の薬物に比べて、自分や他人への害が少ないことがわかっています。
それでも一定の害はありますし、依存してしまい、日常生活に影響が出てしまう人もいます。
そのような場合にやめると決断して、適切にやめることができるようになればいいですね。