大麻で死に至る可能性!? CHS:大麻悪阻症候群まとめ

大麻の主要な成分であるTHCは致死量がない(多すぎて摂取が不可能)であることがわかっています。

しかし、最近、大麻の摂取によって引き起こされ、死に至る可能性がある病気が発見されました。

今回はその病気「CHS(大麻悪阻症候群)」についてまとめます。

CHS:大麻悪阻症候群とは?

CHSはCannabis Hyperemisis Syndromeの略で、2004年ごろに発見された大麻の長期的な過剰摂取によって起きる病気です。

正式な日本語訳はまだありませんが、「Hyperemisis」は悪阻(つわり・おそ)という意味なので、ここでは大麻悪阻症候群(タイマオソショウコウグン)と訳しています。

頻繁かつ長期的な大麻使用が原因で、主な症状は、継続的で激しい吐き気と嘔吐です。

どんな人がなる?

この病気は、濃度の高い大麻成分を定期的かつ頻繁に、そして長期に渡って摂取した場合になる可能性が高いことがわかっています。

現在合法国で市販されている大麻は、THC濃度が20%前後のものが多く十分「濃度が高い」と言えます。

こちらの研究によると、ほとんどの患者は最低週に一回以上の大麻ユーザーで、そのうちの75%は一年以上の定期ユーザーでもあります。

摂取が不定期、短期間や濃度が高くない場合、この病気になることは通常ありません。

また同じようなヘビーユーザーでも実際になる人は多くありません。しかし、ならない人との違いはまだわかっていません。

また患者の70%以上は男性です。

CBDとの関係

この病気に関してはまだわかっていないことが多いのが現状ですが、CBDもこの病気を引き起こす可能性が示唆されています。

2018年に発行されたThe Journal of Nurse Practitionersでは「CBDの大量摂取は吐き気、嘔吐、腹部の痛みといった症状を増加する」としています

また、2011年に発行された別の研究では、「CBDとCBGの大量摂取がCHS患者の激しい吐き気と嘔吐に関連している可能性がある」としています。

しかし、まだわかっていないことが多く、この分野に関してもさらなる研究が待たれています。

症状

CHSには三つのステージがあり、最初の二つの段階でネガティブな症状があります。

3つのステージ

前駆期:Prodromal phase

この段階での主な症状のほとんどは、早朝の吐き気と腹部の痛みです。

大麻は、逆に吐き気や腹部の痛みを抑える効果があるのでは?と思った方もいるかも知れません。この矛盾については、「症状発生のメカニズム」の所で詳しく説明します。

この段階の症状はそれほど厳しくなく、ほとんどの人は食生活を変える必要には迫られません。

この病気はまだ知識として広まっていないため、多くの患者は症状の原因が大麻ではないと判断してしまいます。

そして、症状を抑えるためにさらに多くの大麻を使ってしまい、そのアクションが病気を次のステージに進ませてしまうという流れがあります。

この段階は、次の段階に進むまでに数ヶ月から数年続くことがあります。

過吐期:Hyperemetic phase

この段階での症状は以下を含みます。

  • 継続的な吐き気
  • 激しい嘔吐
  • 腹部の痛み
  • 食事量と体重の減少
  • 脱水症状

この時期の嘔吐は強い不快感を伴います。

この段階から回復期に移行する方法は、現在、大麻摂取を止めることしか見つかっていません。

回復期:Recovery phase

大麻摂取を止めると回復期へ移行することができます。

この段階では症状は無くなり食欲も戻り、通常の食生活に戻ることもできます。

しかし、大麻の摂取を開始すると、またネガティブな症状が現れます。

また月経、過度なストレス、感染症などでも、前のステージの症状が発生する場合があります。

危険性

CHSは、治療せずに放っておくと、非常に危険な事態を引き起こす可能性があります。

その理由は、腹痛、吐き気、嘔吐といった症状が厳しくなると、他の合併症を引き起こす可能性があるからです。

その中でも脱水症状は腎不全につながる非常に危険なものです。

腎不全は、また他の合併症を引き起こす可能性があり、最悪の場合は死につながります。

また嘔吐は水分だけでなく、カリウム、ナトリウム、塩素などの電解質も体外に排出してしまいます。

電解質の枯渇・低下は、これもまた腎不全や発作などの合併症を引き起こす可能性があり、死につながる場合があります。

他の可能性のある合併症としては、筋肉のけいれん、心臓調律異常、またレアなケースですが脳浮腫があります。

さらに、この病気は最近発見されたもので、ほとんどの医者はこの病気に関する教育を受けていません。

もし病院に行ったとしても、原因不明、または別の原因が示唆されてしまい、適切な診断がなされない可能性が高いことが危険性を上げています。

症状発生のメカニズム

メカニズムについてはまだはっきりとわかっておらず、研究が進められています。

しかしいくつかの仮説はあり、以下ではそのうちの一つを紹介します。

大麻の効果として、吐き気、痛みや嘔吐を軽減することは知られていますが、これは主に大麻成分が脳に作用した結果です。

しかし、大麻成分は消化器官にも作用しますが、どうやらその場合は、逆の効果があるようです。

つまり、大麻は消化器官に対しては、吐き気と嘔吐を引き起こすように作用する可能性があります。

また大麻の頻繁な摂取を長期的にした場合、脳のカンナビノイド受容体の反応が変わる可能性があります。

この二つの可能性が実際に起こるとどうなるか?

短期的な大麻摂取の場合は、脳からの命令である吐き気と嘔吐の軽減が優先されますが、長期的に摂取を続けると、脳からの吐き気と嘔吐軽減の命令が無くなり、消化器官の反応だけが残る可能性がある。

というのが一つの仮説です。

治療方法

短期的

治療方法というよりも症状を軽減する方法ですが、現在二つの方法が見つかっています。

これらはあくまでも短期的な対応であって、症状はすぐに戻ってしまいます。

熱いお湯を浴びる

CHSによる吐き気と嘔吐は熱いシャワー・風呂をすると和らぐことが知られています。

CHS患者の約60%がこの効果を報告しています。

このメカニズムはまだわかっていませんが、体に対する熱い温度の刺激によって、温度調整を司っている脳の部分が、吐き気・嘔吐を楽にするように反応する可能性があると言われています。

カプサイシンクリーム

また、腹部にカプサイシンクリームを塗ることで、痛みと吐き気が軽減したという報告もあります。

カプサイシンは熱いお湯を浴びた場合と同じ反応を促します。

長期的

現在までにわかっている唯一の長期的な効果がある治療方法は、大麻を止めることです。

大麻を止めると、1〜数日以内には症状が消え始めます。

防ぎ方

CHSにならないためにはどうすれば良いのでしょうか?

この病気は新しく、まだわかっていないことが多いのですが、病気になる可能性を低くする方法はあります。

それは、大麻に関して、頻繁・長期的・濃度の高いものの摂取を止めることです。

まとめ

今回は、大麻の過剰摂取により引き起こされる病気「CHS:大麻悪阻症候群」についてまとめました。

高濃度の大麻を頻繁かつ長期的に摂取している方は注意が必要な病気ですね。

参考サイト
Cedars Sinai
WeedMaps

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